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サイト閉鎖のお知らせ

諸般の事情により、2021年5月末日をもちまして「チャンスクリエーター」を閉鎖させていただきます。
これまでのご愛顧に対しまして、スタッフ一同、深く感謝するとともに心より御礼申しあげます。

長らくのご愛顧誠にありがとうございました。

触れる看護ー病床に挑むアロマセラピスト。

触れる看護ー病床に挑むアロマセラピスト。
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看護師・保健師の資格を持ちながら臨床アロマセラピストの養成スクールを運営し、大学での講義を受け持つかたわら全国各地での 講演活動、さらには自らも病床の患者にアロマセラピーを施す。株式会社ホリスティックケアジャパン 代表取締役の相原由花さんだ。
多忙な毎日をこなすのはバリバリのキャリアウーマンに違いない、という予想は会った瞬間に崩れてしまうほど、包容力のある温かい 笑顔を向けてくれた。臨床アロマセラピストとは一体どんな職業なのか。そこには科学では説明しきれないような不思議な力が宿っていた。

 

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ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長 相原 由花さん

 

【看護と臨床アロマセラピーの本質は同じ。 「 手で見る」ということ。】

―相原さんは元々、OLとして働かれていたのですよね?なぜ、まったく違うフィールドである「臨床アロマセラピー」という分野に進まれたのか、経緯を教えて下さい。

OLをしながらアロマセラピーの学校に通っていました。医療のことは完全に素人でしたが、講師がイギリス人の看護師で「こういう症状の患者さんに、この精油を使って、このようにマッサージしたらこんな風になった」というような症例を聞く機会が多くありました。イギリスは医療を受けるのに費用はかかりませんが、医師や看護師不足で受診するまでに何カ月も待たされることもあるため、できるだけ病気にならないようにしなくてはなりません。こういった社会背景もあり、当時から補完代替医療が盛んでした。そんな話を聞くうちに、香りや精油が持つ薬理作用、摩訶不思議な力への興味がわいてきたのです。これが臨床アロマセラピストの道を歩むことになる第一歩でした。

―医療の知識がゼロからのスタートに不安はありませんでしたか?

イギリスでは医療者以外の職業からアロマセラピストになる方も多く、それであれば自分もできるのではないかという思いがありました。とはいえ、医療者とのつながりがなく、最初は自宅でスタートしました。ある時、機会があり関西医科大学の心療内科の医師たちと出会いました。医師らは西洋医学と補完代替医療を合わせて患者さんにオーダーメイドな医療を提供する「統合医療」を目指していました。西洋医学は確立されているものですが、補完代替医療は何が良いのか悪いのか、危険性の有無など明らかになっていない点が多かったので、私はこの分野での研究を始めることになったのです。この時は看護師ではありませんでしたので、通常のキャリアとは違う方向から看護の分野に入っていくことになりました。
研究を進めていくうちに、「患者さんをケアすること」の本質に触れるような経験を多くしました。交通事故で体にたくさんの傷跡が残ってしまった若い女性がいたのですが、彼女が抱えているのは後悔と事故の相手への恨み。痛みを取るということは相手を許すことなので、許せないうちは痛みが取れません。この人は何を以て「治った」ということになるのだろうか?そんな思いがありました。また、死期が近づいている患者さんは生きる苦しみも死ぬ苦しみも吐き出してくれます。そうすると、患者さんの体だけでなく心、魂に触れることができます。これらを癒していくことが本当のケアなのではないか。そういう思いが芽生え始めました。この気づきによって、看護大学に入学することを決意します。
実際に看護大学で4年間学んで、勉強すればするほど、看護と臨床アロマセラピーの本質は同じなんだと気づきました。それは「手で見る」ということです。患者さんに触れてみて初めて、汗をかいていることも、湿疹ができていることも、冷えていることもわかります。アロマセラピーの道具は精油とタッチのみですが、掘り下げると患者さんのそばで生きることをサポートすることでもあります。この考え方は看護も同じで、看護とアロマセラピーは融合するものだと確信しました。

【最期までケアできたら、きちんと送り出せる。】

―心・魂に触れるケアというと、患者さんの気持ちに入り込むようなこともあると思います。患者さんが亡くなってしまったときには悲しみもより大きくなるように思いますが、いかがですか?

逆だと思います。現在の看護の現場では死期の迫った患者さんをケアするには方法が限られすぎています。だから、患者さんとは距離を置く方が楽だと感じてしまいます。でも、最期まできちんとケアしてあげられたら、患者さんから「ありがとう」と言ってもらえたら、次の仕事に向かうことができます。亡くなるという事実に「悲しい」という感情だけ持ち込んでも何もしてあげられなかったら後悔しか残りません。「安寧」を保てる技を一つ身につけると、看護師自身が救われるのです。そして、この「安寧」の状態は残された家族も救います。もちろん、亡くなってしまう寂しさはありますが、看護師は幸せな状態で最期を迎えられるように、その方法をアロマセラピーに求めています。

―現在の看護の現場ではできないケアを求めて、臨床アロマセラピーを学びに来る看護師が多いのでしょうか?

そうですね、特に看護師として10年ほどキャリアを積んで一通りのことはできるようになった看護師が多いようです。現場でできる看護と、自分がしたいケアとの間にジレンマを抱えているのですね。必死でやってきたからこそ、「何か足りない」と気づくのです。たとえば、子どもの手術の際、泣き叫ぶ子を押さえつけて麻酔をかけることに違和感を感じたという経験から入学する看護師もいます。また、最近は師長や定年間近のベテラン看護師も学びに来ます。後輩を育成するにあたってまずは自分が学ばなくてはならない、また今後の人生に、今までの看護の知識にアロマセラピーを加えたいというような方々です。そう考えると、人生の岐路でアロマセラピーを学ぼうとする人が多いですね。このスクールの卒業後の進路は、臨床アロマセラピストとして独立する人、また病院に戻る人、訪問看護を立ち上げる人など様々ですが、「本当はこういう看護がしたかった」と言ってくれる卒業生はたくさんいます。「以前よりも優しい看護になった」と上司に言われた看護師もいるくらいです。

【実践力を身につけた臨床アロマセラピストを育てたい。】

―相原さんの今後の大きな目標の一つとして、後進の育成が挙げられると思います。臨床アロマセラピーの世界に飛び込む方々に、一番伝えたいことは何ですか?

何よりも、実践力を身につけてほしいということです。アロマセラピーの要素は精油とマッサージですが、これらの知識とテクニックを身につけることと、実践力は全く異なります。観察、評価、目標を立てること、精油の知識と安全性などそれらを臨床の現場で患者さんにどのように使うか。これらを総合しての実践力です。スクールではベッドにうつ伏せになってアロママッサージを施す練習をしますが、病床でそのまま応用できることはほとんどありません。意識のない患者さんもいますし、状況に応じてどのようにアロママッサージ手順や触れ方を変えるかを考えなくてはなりません。やせ細って骨が出ている方と、浮腫の方と、筋肉質の方が同じマッサージでいいはずがありませんし、乾燥している方にはオイルを多めに使います。しかし、実践力があるということは、なんでもアロマセラピーで解決しようとすることとは違います。
たとえば、精油を使えば歯磨きをしなくても口腔内の殺菌はできますが、看護師が患者さんの歯を磨く行為には意味があります。口腔内を観察し、歯茎の血行を促進し、唾液の分泌を促進していきます。まずは、このケアは本当に患者さんに必要か、このケアをされて患者さんは幸せかをよく考えることが必要です。
「触れること」が患者さんにとって、どれだけ威力を持つものなのか知らない人が多すぎるように思います。「患者さんに触れる自信がない」と言う看護師もいます。でも、10分でも5分でも、患者さんの心や体に残していけるものがあるのであれば、患者さんは必ず看護師の思いに気づいてくれます。
臨床アロマセラピーは医師の許可は必要ですが、看護師が独自に単独で介入できる行為です。これまでの看護に臨床アロマセラピーを取り入れ、薬ではなく触れることで痛みや苦しみを緩和する専門家がいたら、一人の患者さんに対して果たせる役割はとても大きなものになると信じています。

 

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【プロフィール】
相原 由花(あいはら・ゆか)

ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長、英国ITEC認定アロマセラピスト、英国リフレクソロジー協会認定リフレクソロジスト、関西医科大学心療
内科学講座研究員、日本アロマセラピー学会評議員、日本ホリスティックナーシング研究会役員、eBIM(エビデンスに基づく統合医療研究会)評議員、NPO法人ウーマンリビングサポート副理事、The American Holistic Nursing Association会員、看護師、保健師

臨床アロマセラピーにご興味をお持ちになられた方は、お気軽に下記までお問い合わせください。

●ホリスティックケアプロフェッショナルスクール神戸本校    
〒651-0085 神戸市中央区八幡通4-2-13 フラワーロード青山ビル5F
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