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看護師

サイト閉鎖のお知らせ

諸般の事情により、2021年5月末日をもちまして「チャンスクリエーター」を閉鎖させていただきます。
これまでのご愛顧に対しまして、スタッフ一同、深く感謝するとともに心より御礼申しあげます。

長らくのご愛顧誠にありがとうございました。

病院の中にも日常を。食空間の演出で笑顔を引き出す。-cantik代表 山西智香さん

病院の中にも日常を。食空間の演出で笑顔を引き出す。-cantik代表 山西智香さん
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元看護師でありながら、現在はテーブルコーディネートサロン「cantik」を主宰する山西智香さん。定期的に自宅サロンでテーブルコーディネートの教室を開いている。まったくの異分野へのキャリアチェンジを果たしたかのように思えるが、その活動の場は自身が働いていた医療現場にも広げたいという。「病院にも日常を感じるエッセンスを提供したい」という思いが根底にあるが、その確固とした基礎は看護師としての経験が築いたものだった。山西さんをテーブルコーディネートに導いたできごと、そして今後の目標を語ってもらった。

 

山西智香さん/cantik主宰

山西智香さん/cantik代表

一人の患者との出会い。

―山西さんが看護師から全くの異分野へ活動の場を変えられたきっかけを教えて下さい。

私は大学病院に4年ほど勤務しました。当初から「テーブルコーディネーターになる」という目標があったわけではありません。ある患者さんとのできごとをきっかけに「病院でも何かできたらいいな」という漠然とした思いを持ち始めたことがまずありました。

大学病院では女性外科と特別室を担当しました。女性外科に入院していたある患者さんとは年齢も近く、同じ関西出身ということもあり意気投合し、「看護師と患者」という枠を超えて、彼女のことは「一人の人」として接していました。その頃、私は病院の敷地内にある寮に住んでいたのですが、休みの日に寮から私が颯爽と出かけていくのを彼女が見かけたそうです。次の日、「昨日見かけたよ!どこに行ったの?デート?映画?」と楽しそうに聞かれ、「私も行きたいな」と一言つぶやいたのです。「じゃあ、今度行ってみる?」と、外出許可が出た日に一緒に出掛ける約束をしました。もちろん、主治医と婦長の許可も得たうえです。当日、病室に迎えに行くと、きれいに化粧をし、ご主人に持ってきてもらったという「自分に一番似合う服」を着て待っていた姿がとても美しかったことが忘れられません。外見の美しさもさることながら、何よりも笑顔でハツラツとしていた。目標や希望はこんなにも人を生き生きとさせるのかと驚いたのを覚えています。彼女はその数か月後、残念ながら亡くなってしまいましたが、亡くなる前には何度も「もう外出できないと思っていたから本当に嬉しかった!」と話してくれる様子を見て、私も心が温かくなりました。私の行動は看護師のマニュアルには合致しないことかもしれませんが、許可を出してくれた主治医と婦長には感謝していますし、自分でも後悔はしていません。そして、病院の中にも少しだけ日常を感じられるサービスを提供できないか、ということを考えるきっかけをくれたのは、紛れもなく彼女でした。

 

―その後、「テーブルコーディネート」に照準を絞ったのはどのような経験からですか?

手法の一つとしてテーブルコーディネートを考えたのは、特別室での経験が影響しています。高額な入院費を支払っているのに食事の器はプラスチック製であることに違和感を覚えたことや、同じフロアにあったホスピスの入院患者にとって、毎回の食事の重要性はとても高いと考えたこと。「食を演出する」ことはアイテムの一つに過ぎないけれど、それで患者さんの気持ちが前向きになれるのであれば、楽しみを提供することも大事なサービスだと考えました。

 

現地に飛び込んでわかった日本との違い。

―海外での経験も、現在の活動に影響を与えていらっしゃるのでしょうか?

 大学病院を辞めてすぐに今田美奈子先生に師事し本格的にテーブルコーディネートを学びました。ディプロマを取得してすぐに夫の仕事の関係でニューヨークに渡ることになり、数年を過ごします。ビザの関係で働くことはできなかったのですが、アメリカのバーティ文化を肌で感じたり、マクドナルドハウスでボランティア活動をするなど、思い切って現地に飛び込んでみて得た経験は、大変貴重なものとなりました。特に、マクドナルドハウスでのボランティア活動では日本との医療の違いに刺激を受けることもたくさんありました。マクドナルドハウスは小児を対象にしていますが、病気であっても普通の子供と同じように行動させようとします。クリスマスパーティーなどのイベントもとても盛大です。日本では「病気だからこういうことはできない」という考えが当たり前ですが、アメリカでは「こんなこともできるんだ!」と、あくまでも病気であることを特別なことと捉えない雰囲気があります。病気の子でも楽しめる空間を作りたい、日本の病院でも取り入れたいと考えるようになりました。子供が病気であることは親御さんにとっても大変なストレスです。我が子が病気であることで、自分自身を責める気持ちもあるでしょう。そんなとき、子供の誕生日を特別なものとして祝ってあげるサポートができれば、「お祝いしてあげたい」という親御さんの気持ちに応えることにもなります。

帰国後は子供のイベントやホームパーティをしていく中で、子どもがいてもゆとりを感じる生活のご提案という事でテーブルコーディネートサロンを主宰しようと決めました。しかし私の経験分野と絡めて何か出来ないか?と考え、興味があった患者サービスに目を向け、患者サービスの一環で医療でもテーブルコーディネートをしていきたいという想いも持ち続けています。

ただ、日本では感染症の観点から特に小児病棟への規制は厳しいものがあります。ですので、今は老健やホスピスなど高齢者を対象にした活動を中心に進めていきたいと考えています。

 

―高齢者へのサービスという点で、「もっとこうしたらいいのに」と思うことはどのようなことですか?

多くの施設を訪問させていただいて感じていることは、「食空間を演出する」ということは現場の優先度としてはまだまだ低いということです。施設は生活の場であり、食事だけが提供されるサービスではありません。介護職の方々の業務が増えることにも抵抗を感じている担当者は多いように感じますし、入居者の方の不公平感を生み出しかねない施策と捉えられることもあります。たとえば、入居者個人のご家族から「喜寿のお祝いをしたい」と依頼を受けても、他の入居者の方の手前、施設から断られるということが懸念されます。しかし、施設全体の誕生会などに取り入れてもらえれば、季節感や華やかさをプラスした特別なものになるでしょうし、入居者同士の交流の場を提供することにもつながります。

ハード面が充実している施設は非常に増えています。しかしそれだけでは不十分で、人が暮らす空間で「選ばれる病院」「選ばれる施設」になるのは「人」や「空間」などの要因が大きいのではないでしょうか。

また、このようなサービスがあれば入居者のご家族も集う場となります。核家族が増え、同時に家族の思い出づくりの機会は減っています。最近は子供には老いを見せない傾向がありますが、年代を追って人間を見ることはとても大事なことだと思います。「子供にもできる介護って何だろう?」そんなことを考えるきっかけにもなってほしいと願っています。

 

すべてのベースにあるのは「看護師」。

―今後の活動の目標を教えて下さい。

これまで本当にたくさんの経験をしてきました。今があるのはそれらの経験を経てきたから。これらを一つにまとめて何か形にしていきたいと考えています。ただ、色んな経験をしてきたと言っても、その基盤にあるのはやはり看護師の仕事です。一見、全く異なる経験に思えることも、看護師の仕事をしてきたからこそ自分の中に落とし込めているものもありますし、違った角度から医療を見つめ直すきっかけにもなっています。

人生は一度きり。だからこそ遠回りしてもいいのです。看護師という職業に基づいたたくさんの経験。これがどのような形になるのか。私のライフテーマとして突き詰めたいと思っています。

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【プロフィール】

山西智香/テーブルコーディネートサロン『Cantik』主宰。

関西医科大学附属看護学校卒業 看護師国家資格取得後、インドネシア大学へ留学。東京大学医学部附属病院へ看護師として入職し、特別室・ホスピス病棟勤務を経験。結婚後は東大病院退職し、お茶の水女子大学やJICAにて健康管理業務に携わる。今田美奈子 食卓芸術サロンにて食卓芸術コース ディプロマ取得。

現在、2児の男の子のママとして奮闘中。

【資格】
*看護師国家資格
*食空間コーディネーター資格
*ハーブティ・アドバイザー資格

【Cantik】
Cantik HP:http://www.table-cantik.com/
Cantik ブログ:http://ameblo.jp/table-cantik/
【レッスンのお知らせ】
①9月3日:オーラソーマティーチャー によるオーラソーマセミナー
http://s.ameblo.jp/table-cantik/entry-11884840528.html

②9月11,18,24日:インドネシア人直伝❗海辺で頂くインドネシアの屋台料理&テーブルコーディネートレッスン
http://s.ameblo.jp/table-cantik/entry-11888001919.html

③10月7,8,9日:オーラソーマジュエリー会。個人コンサルの後に自分だけのジュエリーを作成していきます。

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●記事の内容は取材当時の内容であり、現状は異なる可能性がございますので予めご了承ください。

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