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サイト閉鎖のお知らせ

諸般の事情により、2021年5月末日をもちまして「チャンスクリエーター」を閉鎖させていただきます。
これまでのご愛顧に対しまして、スタッフ一同、深く感謝するとともに心より御礼申しあげます。

長らくのご愛顧誠にありがとうございました。

白衣をオカイモノする体験を届けたいー株式会社icona CEO 岡本英久さん

白衣をオカイモノする体験を届けたいー株式会社icona CEO 岡本英久さん
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「白衣をオカイモノする、ショッピングするという体験をお届けする」そんな思いから、「オーダーメイド白衣」の通販サイトを運営する会社があります。株式会社icona(アイコナ)。そもそも、白衣をオーダーメイドで作るという感覚があまり馴染みないものですが、白衣を単なる「モノ」とだけ捉えるのではなく、それを超え
た「体験」を届けたいという株式会社iconaの想いを、CEOの岡本英久さんに伺いました。

 

株式会社icona CEO 岡本英久さん

株式会社icona CEO 岡本英久さん

【白衣を買う6000円は罰金のようだと思った】
―岡本さんは、元々、オーダーメイドスーツを提供されていますが、なぜ、白衣をオーダーメイドで
手掛けるようになったのでしょうか? 

スーツを仕立てにいらしたお客様の中に、たまたまお医者様がいました。その方が、「あー、白衣を買いに行かなくちゃ。スーツは楽しそうでいいよね。生地や裏地、ボタンが選べるし。」とおっしゃっていた事や、お客様の中には「理系の大学時代に、実験で着た白衣が格好悪すぎて、白衣を着る仕事には就きたくない」といって銀行に就職したという方もいました。それが「オーダーメイド白衣」誕生のきっかけです。

一般的に白衣はカタログにあるものから選んで買うか、サウナのローブのように大量に積まれている中から取って購入するそうです。お肉屋さんが着る白衣なのか、ドクターが着る白衣なのかも見分けが付かない。
私も実際にユニフォーム屋さんに足を運んで買物や接客を体験してみたんですが、S・M・Lのサイズ展開があるだけ。試着もしてみたんですが、そもそも鏡で合わせてみるのも珍しいようで、おばちゃんが出てきて「あなたはMね。」と言われただけでした。そして大量に積まれている中から無造作に1つを取り出して買うだけ。それで6000円もしたんです。6000円あればもっと自分が気に入った小物や、おいしい食事を楽しむこともできる。でも買わなきゃいけないから、気に入ったものを選ぶでもなく、あるものを買う。まるで罰金みたいだなって思いました。

そこで「白衣にもショッピングの楽しさ」という体験を届けたい思ったんです。白衣は道具と言われますが、その中に楽しみがあってもいいのではないか。サラリーマンのスーツだって仕事道具の一つには変わりませんが、スーツを仕立てに来るお客様の中に厭々来るお客様はいません。

 
【オシャレか、よりも機能的か】
―白衣といえば、お医者さんが着るものというイメージですが、白衣をオーダーメイドすることで、
医療現場でのパフォーマンスにはどんな影響が出ると考えられますか? 

医療現場とは人の生命と向き合う現場です。
オーダーメイドで自分好みの仕立てにできるといっても、仕事に不都合が生じるような仕立て、たとえばファッション性だけを追求して機能性を無視するようなことはあってはいけないと考えています。機能性を保持したうえでのファッション。これは大前提としてあります。

機能面でいうと、まずはポケットの大きさです。特に研修医の方は本など色々なものを携帯しなくてはならない。最近は電子カルテを導入する病院も増えているので、ipad miniが入る大きさにしています。女性用は通常、内ポケットがないものですが、女性用の白衣にも内ポケットを付けることができます。ファッションの観点からいうとポケットはない方がいいのです。でも白衣なので、ドクターが使いやすいことが前提です。また、生地はしわになりにくいストレッチ素材です。肩幅が広い方は白衣が窮屈になりがちで、内勤の際に肩が凝りやすいんですが、ストレッチ素材にすることで肩周りが動きやすくなります。その他、ボタンは安全性も考慮してラガーシャツなどに使われるボタンを使用しています。これはハンマーで叩いても割れません。袖に付けるペン指は通常、左についていますが、左利きの方には使いにくいので、右側に付けることもできます。これらの機能性を重視したうえで、袖をまくった時に見えるように裏地にパイピング処理を施したり、ネーム刺繍の色を13種類そろえたり、といったファッションの要素を用意しています。

元々、スーツを作っているので形もスプリングコートやトレンチコートの形にすることもできます。通常の白衣の3倍ほどのパーツ数を使っているので、それだけ立体的な仕上がりになります。その分、時間も3倍ほどかかります。

裏地にパイピングを施すことで、自分好みに仕立て上げる。

裏地にパイピングを施すことで、自分好みに仕立て上げる。

 
【値段以上の付加価値は「体験」】
―基本的にWEBサイトからの注文とのことですが、一からご自分の好みで作りたいというお客様
いらっしゃるんじゃないでしょうか? 

以前、思い出のある白衣を復刻したいとのことで、その白衣を送ってこられたお客様がいらっしゃいました。20年ほど前、修業時代にフランスにいたときに使用していた白衣をずっと大事に使われてきたそうなのですが、さすがに20年も使っているとボロボロになってくる。フランスで買ったものなので、もう手に入りません。

それでも自分が医者になろうと思った時の想いが詰まっている白衣だから、何としても同じものを再現してほしいとの依頼でした。「白衣」というモノだけでなく、その時の気持ちもこもっているのです。その白衣と同じ型紙を作り、同じ生地で作りました。型紙は一度作ってしまえば、その後は量産できますので、この方は既に6着、同じものを作られました。

20年前の白衣を再現した際の型紙。通常の3倍ものパーツを使用する。

20年前の白衣を再現した際の型紙。通常の3倍ものパーツを使用する。

 

―まさに、着る方の想いも大事になさっているのですね。

理想の白衣は、「これ」と決まっているわけではありません。それぞれの方の理想があります。こちらから「理想の白衣とはこれです」と決められないのであれば作るしかありません。当社は在庫を抱えて発送するわけではありませんので、お客様ご自身の理想の白衣があり、それを作ってほしいという要望がなければ作ることができません。「ただの白衣」を買うだけであれば、他のお店で買えばいいと思っています。その方が経済的です。通常は数千円で買えますが、オーダーメイドで作ると2万円以上しますから。この価格の差は何か?「ご自身の為の世界で一つだけの白衣創り」というやはり、「体験」だと思っています。

先ほど、オーダーメイドだと通常の3倍ほどの時間がかかると言いましたが、その間はお客様を待たせてしまいます。待つ時間もショッピングの楽しみと言えばそうかもしれませんが、それでもお待たせしてしまうのはこのサービスの弱点です。こういったデメリットもユーザーにとって、思い出に変えていきた
いと思っています。

先日聞いた歯医者の話では、歯医者というのは子供に嫌われる存在だけど、歯医者に行ったことを楽しい思い出にするため、一緒に写真を撮って、後日自宅にカードにして郵送するというサービスをしているということがありました。たぶん、このカードはアルバムの中の1枚に収まり思い出に変わります。同じように、「待つ」という時間、デメリットを、何らかの体験・思い出に変えていきたいとは思っています。これは言い訳では無く、良質なモノ・コトはインスタント的に手に入りませんので(笑)

 

―最後に、今後、白衣を通じてどんな体験をしてもらいたいか教えて下さい。

白衣は既製品を買うものであり、「白衣をオーダーメイドで作る」という概念自体がまだ浸透していません。既製品との値段の差もあります。白衣で2万円は高いのです。ただ、洋服をオーダーメイドで作るのであれば2万円は安いです。私たちとお客様との、この認識の差を埋めていくことが課題です。値段の概念を超
えて、ショッピングの楽しさを白衣にも求めてもらえること。
新しい服を「それどこで買ったの?」と褒められるときの感動を、白衣でも味わってもらいたいと思っています。

 
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【プロフィール】
岡本英久(おかもと・ひでひさ)/株式会社icona  CEO
「白衣をオカイモノする、ショッピングするという体験をお届けする」というコンセプトでオーダー白衣の通販サイトを運営する。

●通販サイト
http://i-cona.com/

●Facebookページ
https://www.facebook.com/icona.co.jp

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●記事の内容は取材当時の内容であり、現状は異なる可能性がございますので予めご了承ください。

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