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諸般の事情により、2021年5月末日をもちまして「チャンスクリエーター」を閉鎖させていただきます。
これまでのご愛顧に対しまして、スタッフ一同、深く感謝するとともに心より御礼申しあげます。

長らくのご愛顧誠にありがとうございました。

ビーズで心のケアを。ビーズ・オブ・カレッジ ®という活動。-ビーズ・オブ・カレッジ 無料公開セミナー2014

ビーズで心のケアを。ビーズ・オブ・カレッジ ®という活動。-ビーズ・オブ・カレッジ 無料公開セミナー2014
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ビーズ・オブ・カレッジは、認定NPO法人シャイン・オン・キッズが行う活動の一つで、小児がんや重い病気と闘う子どもの心のケアを目的としています。手術、輸血、化学療法など治療を一つ乗り越える度に、ビーズを医療スタッフから一つ受け取り、つなげていくのです。ビーズは入院中のみならず退院後の通院期間にも継続して受け取ることができます。つなげたビーズは単なる「ご褒美」を超えて、「自分が辛い治療を乗り越えた証」として、子どもやその家族に幸せという感情をもたらすといいます。

11月8日、その活動の公開セミナーが開かれました。特別講演として、ビーズ・オブ・カレッジ ®の考案者で米国のNPO法人ビーズ・オブ・カレッジの創立者のジーン・バルーシ氏が登壇。その後、ジーン・バルーシ氏とシャイン・オン・キッズの副理事長で大阪市立総合医療センターの副院長、原純一氏とのパネルディスカッションが行われました。当日は医療従事者をはじめ、実際にビーズ・オブ・カレッジ ®を通して闘病を経た患者や家族で満席となりました。

 これまでに7か国の260病院で導入され、約65,000人が参加してきたというビーズ・オブ・カレッジ ®。特に米国では患者である子どものみならず、関わる医療スタッフにもプラスの効果をもたらしている標準治療となっているそうです。

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ビーズは自分の治療体験を表す証。

 元々、小児腫瘍科の看護師として働いていたジーン・バルーシ氏は、闘病中の子どもの病気が治っても、その感情的なニーズは満たされないままであることに懸念を抱いていたといいます。苦しみの定義の大きな部分は精神的なものが占める。しかし、子どもが苦しんでいる時にそれを軽減するツールがなかったのです。ある時、ビーズを使ったアクティビティに出会い、また昔から「成就」を讃えるシンボルとしてビーズが使われることに着目したバルーシ氏は、ヘルスケアの現場にもアートとしてのビーズを持ち込むことを考えたのです。

 どの治療を受けるとどのビーズが渡されるかは、プログラムガイドに明記されています。導入から8年間で、約6,000人の看護師はじめ医療従事者が教育を受けました。また、ビーズそのものは芸術作品でもあり、日本ではとんぼ玉ア-ティストが制作してシャイン・オン!キッズに寄贈しているそうです。

 長引く治療の中、これまでに500個のビーズを受け取った子どももいるそうです。その長さはなんと9メートル。自分がこれまで頑張ってきた証であるからこそ、その量に言及することはとても大切だといいます。また、自分の苦痛について家族や友人に上手く説明できないこともあり、そんなとき、「治療体験について語る方法」としても効果を発揮しているとのことです。治療の現場での効果は、原氏も実感しているとのこと。つなげたビーズを誇らしげに見せてくれる子どもたちは周囲や家族を明るくし、ターミナル治療のタブーが病棟内からもなくなっていく印象を受けているそうです。治療を受ける子ども本人にとってはもちろん、周囲にも良い影響を与えています。

米国NPO法人 ビーズ・オブ・カレッジ 創立者 エグゼクティブ・ディレクター ジーン・バルーシ氏

米国NPO法人 ビーズ・オブ・カレッジ 創立者 エグゼクティブ・ディレクター
ジーン・バルーシ氏

 

日本での普及の課題。

 一方、「心のケア」と一言でいっても、その言葉自体が曖昧さを含んでいる点で、「具体的にどうしたら良いか?」がわかりにくい現状が医療現場にはあることも、原氏は指摘しています。「ビーズ」はそれを具体化し、数値化するツールとしても高い期待を寄せられていますが、日本の医療現場に普及させるにあたっては、同時にケアの成果を数値化して評価していくしくみも一緒に導入する必要があるとのことでした。

大阪市立総合医療センター 副院長 / 小児血液腫瘍科部長 認定NPO法人 シャイン・オン・キッズ 副理事長  原 純一 氏

大阪市立総合医療センター 副院長 / 小児血液腫瘍科部長
認定NPO法人 シャイン・オン・キッズ 副理事長
原 純一 氏

 

「ビーズを集めることは、病気と闘う旅路である」とは、講演の中で何度も繰り返されたバルーシ氏の言葉です。ビーズに意味を持たせることで病気の回復力を高め、自分に誇りを持つようになり、患者である子ども自身が「自分は一人ではない」と実感できるようにもなります。内面・精神面からアプローチするケアが、肉体面に対して果たす役割は小さくありません。

 小児がんの患者へのアプローチから慢性期疾患の子どもたちへと、活動の場も広がってきている病院もあり、今後の日本での普及は大きく期待されています。

シャイン・オン!キッズ ビーズ・オブ・カレッジ ®についてはこちら

http://sokids.org/ja/programs/beads-courage/

【プロフィール】

米国NPO法人 ビーズ・オブ・カレッジ 創立者 エグゼクティブ・ディレクター/ジーン・バルーシ

Jean

小児腫瘍科看護師としての勤務経験から着想を得て、アリゾナ大学 博士課程においてビーズ・オブ・カレッジ®プログラムを開発。2003年2月より、フェニックス子ども病院にてプログラムの試行を開始。
2005年3月、アリゾナ州トゥーソンを拠点にNPO法人ビーズ・オブ・カレッジを設立。
以後、アメリカ国内150か所以上のこども病院をはじめ、イギリス、カナダ、ニュージーランド、日本各国のNPO法人と連携し、プログラム普及に努めている。

 

大阪市立総合医療センター 副院長 / 小児血液腫瘍科部長、認定NPO法人 シャイン・オン・キッズ 副理事長 / 純一

hara

1980年に大阪大学医学部を卒業して以来30年間、一貫して小児がんにかかわる、日本をリードする臨床医のひとり。2011年には厚生労働省の小児がん専門委員会にて委員長の指名を受け、小児がん拠点病院の制度構築に尽力する。
<各種委員>
日本横紋筋肉腫研究グループ 副代表幹事
日本小児白血病リンパ腫研究グループ 監事
日本神経芽腫研究グループ 幹事
日本血液学会 評議員
日本小児血液・がん学会 評議員

●記事の内容は取材当時の内容であり、現状は異なる可能性がございますので予めご了承ください。

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